秘密のデート♪

明け方、高校生の頃の夢から覚めたのは４時半だった
なんだか強い郷愁感に包まれてた。
コーヒー飲みながら考えた、今日も山は自粛ってか、今月は歩けそうもないし・・・

帰ろか。ふらっと。ノスタルジーに浸るのもいいじゃないか。
想い出と秘密のデートだ

なんて、人が聞くと 非常に気持ち悪いであろう 独りごとを吐いて
リビングのテーブルに、書き置きを残して、明け方の高速を西へと飛ばした
故郷へと続く国道に降り、朝焼けの海岸線を一人ドライブ、夢に出て来たシーン
ある人と一緒に歩いてた、あの場所、記憶を頼りに探すが見当たらない
あぁ。ここか？どうやら埋め立てられて公園になってるようだ･･･
なぁーにが秘密のデートなんだか、ノスタルジーなんだか
そうかぁ、こうやって風化して行くんだよなぁ何もかも
なんて途方に暮れたその足で、少しだけ顔出しておこうか
と　実家に着いたのは、6時55分　だった

チャイムに起こされて出て来た母に、いきなり叱られた
出て来るまでが５分、そこから寒い玄関に立たされたまま、みっちり５分叱られた
お盆に帰省して以来電話の１本もしてなかったって？そうだっけ？
で、突然朝の７時前にチャイムで起こされたら、ま怒るかもな
お怒りは収まらないようで、お茶を淹れてくれながらも、お小言は続く
３０分も過ぎる頃、いい加減ウザくなって、墓参りに行くと、席を立った

こんな早くからお参りされたら、お父さんも迷惑です！

あぁ、取りつく島もない。母上ごめんなさい、ボクが悪ぅございました。
ってか、この歳になっても母親にこれだけ叱られてるオヤジ居ないぞ
近況報告とグチと小言と想い出話、そんなことの繰り返しは延々と。
１０時頃、帰るきっかけを作りたくて、墓に行くと言うと、母も行くことに
連れ添って歩くのも何年振りだろうか
海を見下ろせる高台にある墓地は、今日も穏やかな見晴らし

お父さん、Ｙが帰って来ましたよ、相変わらずな子ですよ、何とか言ってくださいよ

あぁ、母上、それじゃまるでオレは放蕩息子じゃないか
その草を抜けだの、墓石の苔を取れだの、散々こき使われて
家に戻ると12時、さ、もういいよね？帰ろかな、とコソコソしてたら

こんな日くらい、母親と お昼を一緒にするものです！

仕方なく、母の好きなうどん屋さんから出前をとってやって、ご機嫌をとる
あぁ、もう。なんだか、これじゃオレは デートの約束を破った彼氏じゃないか
二人でうどんをすすりながらも近況報告とグチと小言と想い出話、気付けば２時
あ！ごめん、もうオレいくらなんでも帰らないと

もうお母さんも７５歳。いつ死ぬか分かりません。今日が最後かもしれません。
あぁ、母上さま　(´･ω･｀)

結局、帰阪は２１時
もちろん、スマホにはヨメからの捜索願いメールが何通もあったがスルーしてた
で、当然帰宅すれば帰宅したで、ヨメからの執拗な攻撃を受ける
もう受け身を取る気力も使い果たし、打撃も寝技も締め技も受け流すだけ
　
今日って、オレ何か悪いことしたっけ？
っつーか、ノスタルジーはどこ行ったんだ？
秘密のデートは？？？

ま、ヨメさんは知らないから
母と秘密のデートってことで

ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ

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