2011/04/14

空色ヒッチハイカー

図書館で予約してたことを忘れた頃に届いた
橋本紡の”空色ヒッチハイカー”

18歳、受験生、夏
アニキの残した59年のキャデラック
国道1号線
独り旅
ヒッチハイク

そのキーワードの羅列だけで充分、もう充分
一人旅=出合い=ボーイミーツガール、それだけでドラマなのだ
逆に言えばこれだけのキーワード並べると、クサくなってしまうことも多いけれど


主人公の少年は、旅の目的の一つであるヒッチハイカーを乗せること
それをすぐに達成してしまう、それもとびっきりの美女、もちろんナイスバディだ
その美女とともに続ける旅の中、女子大生、家出少女、へんなおじさん・・・
お約束のようにいろんなハイカーに出会い、それが1章ごとのエピソードとなる
一番響いたのは、83歳のおじいさんヒッチハイカーのエピソードだ
憧れのキャデラック、そのハンドルを握ったおじいさん、そして夢のように
終戦直後の情景が蘇る瞬間、その表現は、この小説の中で一番光ってた

そして後半、突然出てくる、映画”ファンダンゴ”、これは驚かされた
何故なら、主人公と同じように、オレもアニキと一緒にその映画を観て
そのバカバカしさに笑った、アニキとオレ、二人がまだ若かった頃
そう、一緒に映画館に入るほど若かった頃の懐かしい想い出だから。


そのファンタンゴ、くだらないシーン、エピソードばかりだけど
妙に頭に残ってて、ふっとした時に思い出したりするのだ
グルーバーズ、ワーグナー、フィルのスカイダイブ・・・ふふっ
きっとオーバー40の洋画ファンには、そんなオヤジが多いと思うな
決して女性にはいない、100%いないと断言しよう
 
読み終えて分かるのは、結局この小説も”青春の一夏”の名を借りた
ファンダンゴだったんだな、と。
って言うか青春ってファンダンゴなんだ、そうだ、そうなんだ、ファンダンゴなんだ
そんな懐かしさを想い出せる、ちょっといい小説だった。

Goodbye,friend
Have a nice life
 
 
  

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